俚奏楽りそうがく

 

 俚奏楽とは、三味線音楽の源流をたずね、近世歌謡に影響を与えた三味線の役割を実践的に発展させ、現代的解釈と創造を加えた独自のジャンルです。

 「伝承」という三味線音楽のひとつの枠から離れて、三味線歌謡成立期に民衆が持っていたであろうエネルギーやバイタリティを取り戻し、活力溢れる瑞々しい音楽を求めていきます。

 そのためには、民族歌謡を過去の遺産としてとらえるだけではなく、現代に、また未来に生きる日本人の「こころ」の表出にまで高め、日本人の素朴な心暖まる抒情を一つのモティーフとし、自然に密着したリズム感と様式にこだわらない自由な音楽を創造することが必要であると考えます。

 音楽の持つあらゆる表現と技法を駆使し、三味線音楽を中心とした日本音楽の奥底に流れる普遍的な日本人の心をとらえて、民族音楽としての日本歌謡の新たな創造を目指す———それが「俚奏楽」なのです。

 本條流会員による研鑽の成果は、5年に1度の本條流三味線 本條會 東京公演をはじめ、俚奏楽研究会、会員主催の演奏会(いずれも家元主催)への出演などによって発表されており、俚奏楽に対する理解を深め継承発展に邁進するとともに、広く啓発に努めています。

 
 
 
 
 

代表的な作品


 1969年  

雪の山中

作詞・作曲 本條秀太郎

 1980年

ビードロ細工

作詞・作曲 本條秀太郎

 1985年

うき世道成寺  

作詞・猿若清方 作曲 本條秀太郎

 1988年

雨の月

作詞・ふじ•なみ女 作曲 本條秀太郎

 2009年

毛馬内幻想

作詞・竹田真沙子 作曲・本條秀太郎